1. スクラムとは?アジャイル開発における役割
1-1. スクラムの基本概念
スクラムは、アジャイル開発の中でも特に人気のある手法の一つです。
「短い期間で計画・開発・テストを繰り返しながら、柔軟に開発を進める」という考え方が特徴です。
スクラムのポイント
- チームで協力しながら開発を進める
- 決まった期間(スプリント)ごとに作業を進める
- 計画・開発・振り返りを繰り返しながら改善する
例えば、ゲームを作るときに、まず「キャラクターを作る」「基本的な動きを作る」といった小さな単位で進めていきます。すべてが完成するまで待つのではなく、少しずつ形にしていくことで、途中での変更にも対応しやすくなります。
1-2. スクラムの3つの役割
スクラムには、大きく分けて3つの役割があります。
① プロダクトオーナー(Product Owner)
プロジェクトのゴールを決める人です。例えば、「このゲームでは、プレイヤーが自由に世界を探索できるようにしたい」など、大きな目標を考えます。
② スクラムマスター(Scrum Master)
チームがスムーズに動けるようにサポートする役割です。みんなの意見をまとめたり、作業しやすい環境を整えたりします。
③ 開発チーム(Development Team)
実際にプログラムを書いたり、デザインを作ったりする人たちです。
スクラムでは、これら3つの役割がしっかり連携しながら開発を進めます。
2. スクラムの具体的な進め方
2-1. スクラムの5つのイベント
スクラムでは、開発を進めるために以下の5つのイベントを行います。
- スプリント(Sprint)
一定期間(例:2週間)ごとに開発を進める仕組みです。短い期間で作業を区切ることで、進捗を管理しやすくなります。 - スプリントプランニング(Sprint Planning)
スプリントが始まる前に、「この期間で何を作るか」を決める会議を行います。 - デイリースクラム(Daily Scrum)
毎日短いミーティングを行い、進捗を確認します。「昨日やったこと」「今日やること」「困っていること」を共有することで、チーム全体の状況を把握できます。 - スプリントレビュー(Sprint Review)
スプリントの終わりに、「実際に作ったもの」をチームや関係者に見せて、フィードバックをもらいます。 - スプリントレトロスペクティブ(Sprint Retrospective)
「今回のスプリントで良かったこと、改善できること」を話し合い、次のスプリントをより良くするための工夫を考えます。
3. スクラムと他の開発手法の違い
3-1. ウォーターフォールとの比較
スクラムとよく比較されるのが、ウォーターフォール開発です。
ウォーターフォール開発とは?
ウォーターフォール開発は、「計画 → 設計 → 開発 → テスト → リリース」と順番に進める開発手法です。一度決めた計画を変えるのが難しく、大きなプロジェクトに向いています。
スクラムとの違い
項目 | ウォーターフォール | スクラム |
---|---|---|
計画の柔軟性 | 低い | 高い |
変更対応 | しにくい | しやすい |
開発の進め方 | 一つずつ順番に | 短い期間で繰り返し |
例えば、大きな建物を作るときはウォーターフォール向きですが、ゲームやアプリの開発などはスクラムの方が適しています。
3-2. カンバンとの違い
もう一つよく使われる手法にカンバンがあります。
カンバンとは?
カンバンは、「やること」「進行中」「完了」といったステータスを見える化して、タスクの流れを管理する方法です。
スクラムとの違い
項目 | カンバン | スクラム |
---|---|---|
タスク管理 | 状況を見える化 | スプリントごとに進める |
変更対応 | 常に柔軟に対応 | 一定期間ごとに調整 |
カンバンは、製造業やシンプルなタスク管理に向いています。一方、スクラムは「開発チームで協力して作業を進める」ために最適な方法です。
まとめ
スクラムは、アジャイル開発の中でも特に人気のある手法で、短期間での開発と改善を繰り返しながらプロジェクトを進めることができます。他の開発手法と比較しながら、最適な方法を選びましょう!